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Australia Perth Tour 2019 – モンテッソーリ教育レポート 2
Sakai English School & La Porte International School Present
Australia Perth Tour 2019
一般的なモンテッソーリ教育と、現在滞在中のPerth Individualでのモンテッソーリ教育のレポート「その2」です。
YumiとShogoが居るのは Cycle 3 (10-12歳クラス)ですが、その下の学年のクラス(Cycle 1 と Cycle 2)の様子を紹介します。
Cycle 1 (幼稚園)クラスの様子です。
主に算数のjobに取り組んでいる様子です。様々な感覚教材を使って、各自それぞれ、仕上げるまで、黙々と集中して取り組んでいます。
Snackタイムでフルーツを食べた後は、使ったお皿は自分で洗います。この子は3才児ですが、先生に言われることもなく、自分からお皿を洗いにいきました。
そうした「日常生活の練習」がしっかり身についています。
Cycle 2 (小1〜3)のクラスの様子です。
phonics(フォニックス)のjobを行なっている様子です。読解の最初の段階の学びとして、Phonicsは英語ネイティブの小学校でも広く導入されている英語(言語)の授業です。
sentense作りのjobを行なっている様子です。年上の子が年下の子に教える様子さながら、この写真の子が私につきっきりで、このjobを指導してくれました(笑)。
「お茶出し」は、モンテッソーリ教育の特徴的なjobの一つで、たくさんの手順や道具を使うお仕事で、まさに生活に直結しているものです。
電気ケトルでお湯を沸かし、自分たちでお茶葉を選び、それぞれ単体のものとブレンドも作り、何種類ものお茶をジャーに入れ、他の子どもたちに選ばせていました。
私にも、「Would you like some tea?」と言って振舞ってくれました。
ちなみにこのお茶は、「Roogenic」という、オーストラリア原産の植物を使った、パース発のナチュラル&ヘルシー・ティーショップのものです。創業から変わらずアボリジニ・コミュニティをサポートしながら、オーストラリアの伝統の味を表現し続けているそうです。
Fremantle にあるマーケットで買えるのだそうで。
週末にでも行ってみようと思います。
Perth Individual には、カウンセラーのサイコロジスト(心理学の先生)もいます。
小学校、中・高等学校合同で、一人の先生が見ています。
何か危険を感じた時、不安を感じた時、それが学校のことであっても、勉強のことであっても、家庭のことであっても。
とにかくどんなことでも、いつでも相談できるようになっています。
学校に専属のカウンセラー(心理学者)が1人(あるいは学校によっては2人)居ることは、オーストラリア全体で、特に私立の学校では徐々に一般的になっているそうです。
1週間に1コマ、心理学の授業があります。
High Schoolのグループの今週の授業のテーマは「Respect」。
どのような振る舞いや行動、考え方や思想が「Respectful(敬意がある)」 / 「Disrespectful(敬意を欠く)」ものなのかを話し合いました。
学び手である子どもたちは、自分を、そして他者、学校、先生を尊重し、尊敬することで初めて学びのスタートラインに立つ、と彼は言います。
自分を尊重し、他を尊重することで、人に耳を傾けることができるようにもなるし、人の意見を聞けるようになったら今度は自分も臆せず意見を言えるようになるし、徐々に自分とは違う人の意見を受け入れられるようにもなります。
それが、グローバルで活躍していく人材になるためのスタートラインです。
その上で、めまぐるしいスピードで拡大していく、成長している世界のマーケットのなかで発揮できる力を身につけていくことが、今の子どもたちが求めるべき教育です。
子どもたちは興味のあることしかやらない。でもそれでいい。
「他のこともやりなさい!」じゃなく。
その興味のある分野から、どんどん世界を広げていけば良いのです。
例えば昆虫にしか興味ない子。
そこからミリ単位の大きさ、重さを学ぶことで、算数の分野であるスケールのことやメートル法を学べます。
図鑑を読むことで言語を学べます。漢字も学べるし、生息地域を知ることで地理も学べる。
もちろん、観察や標本作りを通して理科も学べます。
例えば電車にしか興味ない子。
たくさんの電車に興味をもち、見に行く・乗りに行くことで、自立し、自分で広い範囲を行動できるようになります。地理も学べます。
電車の仕組みや、部品などを知ることで、Engineering(工学)が学べます。模型を組み立てることもこれに繋がりますね。
どの会社がどこに電車を売っているかなど、世界規模のマーケティングやビジネスについても学べます。
すごく狭いことにしか興味のない子には、その情熱・熱意がすごく狭く、そして深いので、実は無限の可能性があるのです。
そういった広い視野を周りの大人が持ち、環境を提供してあげること。彼らの世界を広げてあげること。
それが、我々の使命でもあります。