Gilston State School での授業4日目。
午前中は、オーストラリアの文化についての授業でした。
まずは、校長先生、Weatherburn 先生から直々の文化体験授業を受けました。
『mob』というのは、アボリジニーの言葉でいうところの Group、集団を意味する言葉です。単なる集団というよりかは、一緒に生活を共にする、我々の感覚で言うところの”町内の班”のようなもののようですが、恐らく結束は日本のそれとは比べものにならないくらい濃いものでしょう。厳密には家族ではありませんが、家族ほどのつながりがあるものだそうです。
その mob 単位で生活し、1〜2週間でキャンプを移動し、生活の拠点を移します。
mob ごとに、火起こしは男の仕事だったり女の仕事だったりするそうですが、ここの Sakai Group の mob では、男の仕事ということにしました。
(写真は、アボリジニーの道具を使って、火起こしの体験をしています。)
くすぶった木屑を、細かい木屑や落ち葉にかけることでより大きなくすぶりを作り、火を起こしていく。
男の子たちだけでなく女の子たちも体験はしましたが、これがなかなかの体力仕事なのです!
最後は私も登場し、ヤケになって本気でやりましたが、煙は出せても火を起こすことは最後までできませんでした。
実際、この作業はアボリジニーにとっても当然大変な作業で、キャンプ間の移動の時などは、木の皮などを使って、細心の注意を払って火種を絶やさないようにするのだそうです。
校長先生が持っているのが、アボリジニーの楽器、ディジュリドゥー(Didgeridoo)です。
子供達が、音を出す練習をしています。
火曜日は、実はこれの下地を塗っていたのです。
筒の一旦に口を密着させ、ぶるぶると唇を震わせることでその振動が筒の中で共鳴し、音になっています(たぶん)。
これがなかなか難しい。。。
私は昔、友人が本物のディジュリドゥを持っていて、貸してもらって試した時も音を出すことができませんでしたし、今日もやはりダメでした。。。
しかし、コツをつかむのがうまい子はどこにもいるようで、2〜3人の子たちはすぐに音を出せていました。
このディジュリドゥー、日本に持って帰ろうと思っていますが、長さ制限で引っかかるかもしれません。。。
空港で没収されずに日本まで持って帰れたら、子供達に演奏してもらってください!
うまく鳴れば鳴るほどやっかましいですよ!!!
さて、オーストラリアの先住民の授業は続きます。
オーストラリアが現在のような国になってからまだ数百年ですから、国としての歴史は日本に比べてとても浅いです。
しかし、当然、『オーストラリアという国』以前にもアボリジニーはこの地に住んでいました。
(Indigenous Australians)
数多く伝わる、アボリジニーの昔話、『Dream Time』の話を、日本語訳を交えながら、そして話の背景の説明を交えながら聞きました。
『Dream Time』とは、アボリジニーが考える世界の起源の話で、いろいろな種類の話があるようですが、今日聞かせてもらったのは『The Bat and the Crocodile』という話でした。
みんな興味深そうに聞いていました。
6枚目は、また現地校のクラスに混ざって、パソコンを使ってリサーチをするという授業の様子です。
ミツバチについてのレポートをまとめるのが目的ですが、『パソコン室では子供たちのテンションがめちゃくちゃ上がる』というのは、どうやら世界共通の”あるある”のようです笑。
みんな、全然真面目にやってません。
このクラスの担任の先生が”が鳴り”まくってますが、4秒くらいしか大人しくなりません。
「次しゃべった子、ふざけた子は、昼休み、校長先生と一緒にレポートを書いてもらいます!!」と、先生が最後の手段を使いましたが、効き目がありませんでした。笑
レポートをぎっしり書こうとする子もいれば、適当に大きい字でただ埋めた感じで終わらせる子、白紙状態で平然と遊んでいる子、たくさんいました。先生は、いろいろなヒントを与えますが、直接的な答えを与えることは決してしません。
「これ以上の答えに近いヒントは助け(help)にならないから、自らが動くのを待つ」
と言ってみえましたが、私も完全に同意見でした。
さて、今日の最後の授業(というか1コマ)は、全校集会でした。
毎週木曜日のこの時間が全校集会のようです。
子供達が司会をする中、国歌を歌い、校歌を歌い、会は始まりました。
音響やスライドの準備、音を再生するのも音量を調整するのも、映像を投影するのもすべて子供達がやっています。
次々に、おそらく各委員会?からの連絡事項(すべて子供達から)があり、会は進んでいきます。
私たちは、この全校生徒約400〜500人(※何人かの先生に、「全校生徒何人?」と聞きましたが、正確な人数が帰ってきませんでしたので笑、憶測での数字です)の前に並んで座っています。
みんな、非常に嫌な予感がしています。
時間割表には、
「Assembly(全校集会) Kendama Display」
と書いてあります。
けん玉の披露。。。
事前に「ヤバい」と思ってけん玉を披露するのはなくなりましたが、その代わりに、全員が壇上に上がり、『修了証書』の授与式をしてくださいました。
私も壇上にいたので、残念ながらこの時の写真がありません。
一人一人、名前を呼ばれたら全校生徒が「ヨウコソ!」と日本語で叫んでくれ、校長先生から修了証書を授与され、握手をしました。
Gilston State School は、過去に、日本の「小林中学校」と言う学校(いまいちどこなのかわかりませんが、成田の近くだとのことです)と交流のあった時期があったそうですが、先方の当時の担当者が(恐らく)転校されてしまったため、今ではもう交流がなくなってしまったそうです。
しかし、日本語クラスの先生としては、Gilston からも日本に短期留学を定期的に出したいし、日本からの短期留学をもっと受け入れたいと思っているそうです。
ちなみに今回のような留学受け入れはどれくらいしているの?と聞いたら「Never!」と言ってみえました。
Gilston にとっても、私たちにとっても、今回の滞在はとても特別なものだったようです。
私たちは、すべてのホームステイ先で暖かく迎えられ、担当してくださった 日本語クラスの先生はとても献身的に私たちと接してくださり、たくさんの特別な授業を企画してくださいました。
今回、このスクール、先生方、そして各ホームステイに出会えたことは、とてもラッキーだったと思います。
今日たまたま、EQI、Education Queensland International、クイーンズランド州教育省の、教育旅行・教育視察研修担当の方が2名、Gilstonの視察に来られました。私に用はなかったようですが笑、話をする機会をいただき、私たちが感じていることを感謝とともにしっかりとお伝えしました。そして、私としてはもし次回オーストラリアに来ることがあれば、またこのゴールドコーストの Gilston に戻ってきたいとお伝えすると、「要望を伝えていただければ善処します」とのことでした。
うーん!!
役所的回答〜〜〜!!!
ともあれ、全校集会の話に戻ります。
集会は続き、その後、なぜか全校で、先生も一緒に、ダンスをしました。
みんなノリノリです。
恥ずかしがってやっていない子は一人もいません。
ダンスがひとしきり終わったあと、先生が「もう一回練習してみる?」と言うと、全校生徒から割れんばかりの「イェーーーー!!!」と言う、悲鳴に近い歓声。
日本ではありえない光景でした。
後から聞いたところ、このダンス練習は、明日の夜5:30から、学校のホールでダンスパーティがあるためだそうで、子供達も招待されています。
『Disco Night』と言っていました。
なんて陽気な校風!
明日はもう、現地校での授業最終日です。
本当にあっという間でした。子供たちが寂しそうな顔をするだろう姿を、そして現地校の子たちとも会えるのがこれで最後だと思うと少し寂しいです。
最後の1日もたくさん学び、たくさん楽しんで、出会いを受け入れ、経験し、一つでも多くの思い出を持ち帰ってほしいと思います。